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土砂災害特別警戒区域(レットゾーン)内の土地

不動産の概要

​ 物件のある○○市○○町は起伏の多い丘陵地域で、高台には病院た住宅団地があり、周囲の平坦なところには戸建住宅、アパート、マンションなどが混在し、傾斜地は林地等の未利用地として残されています。

 今回はその未利用地の林地(物件1)と宅地(物件2)の2筆が物件で、物件1、2とも土砂災害警戒区域、物件1の半分と、2が土砂災害特別警戒区域に指定されていました。

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相続税評価方法

 土砂災害特別警戒区域内にある宅地の税法上の評価は、土地の総面積のうち、土砂災害特別警戒区域の面積割合にもより、「特別警戒区域補正率表」から、10%から30%程度の減価となります。

 また、対象となる土地が崖地を含むことが多いため、「がけ地補正率表」と併用して、減額が可能となります。

 なお、財産評価基本通達49のなお書きでは、

「市街地山林で宅地への転用が見込めないと認められる場合には、その山林の価額は、近隣の純山林の価額に比準して評価する。」

 

 純山林として評価する場合の要件として

①急傾斜地等であるために宅地造成ができないと認められる場合
②宅地比準方式の評価額が近隣の純山林の価額に比準して評価した価額を下回る場合は、市街化区域の山林について純山林評価をする場合には、近隣の純山林の価額に比準して評価します。

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各土砂災害情報

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相続税評価額は適正な価格なのか

 問題点として2つ考えられます。

​①土砂災害特別警戒区域内にある宅地の税法上の評価

​②市街地山林

です。

 ①の場合、実際に建物を建てるには、建築物の構造の規制(居室を有する建築物の新築・増築等を行う場合は、外壁等の部分を鉄筋コンクリート造にする必要がある)や、住宅宅地分譲等の開発行為は、県知事の許可が必要になるなど、税法上の減価以上の価格低下が生じることもあります。

 また、多額の対策工事費用をかけてまで建築物の敷地として利用することが、その土地の合理的な利用方法なのか、建物敷地以外の利用法も考えるべきかと思います。

 ちなみに、横浜市では、都市計画法の改正(令和4年4月1日施行により、(災害危険区域等(土砂災害特別警戒区域も含む)における開発の原則禁止(自己居住用の住宅を除く。)となっています。

 川崎市は、土砂災害特別警戒区域内での開発許可等の手続きについて(2023年1月24日付HP)で、都市計画法に規定する開発行為を行う場合、開発区域内には原則として土砂災害特別警戒区域を含むことができまくなりました。

 

 このように、開発区域内には原則として土砂災害特別警戒区域を含めない自治体もあります。

​ ②市街地山林で宅地への転用が見込めないと認められる場合の判断の難しさがあり、これによって価格が大きく変わることも想定されます。

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